パリ、モンテーニュ通り。美が生まれる場所
パリ、モンテーニュ通り。美が生まれる場所
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パリ、モンテーニュ通り。美が生まれる場所 オートクチュール
3/25(fri) 新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、Bunkamuraル・シネマほか全国公開
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パリ、モンテーニュ通り。美が生まれる場所
オートクチュール3/25(fri) 新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、Bunkamuraル・シネマほか全国公開
絶賛コメント到着
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3月18日(金)最速プレミア試写会&渋谷ファッションウイーク スペシャルトーク開催!

Trailer

INTRODUCTION&STORY INTRODUCTION&STORY

引退を目前に控えた孤高のお針子と、郊外に暮らす移民二世の少女。ディオールのアトリエで、出会うはずのなかった二人の人生が交差する―― 引退を目前に控えた孤高のお針子と、郊外に暮らす移民二世の少女。ディオールのアトリエで、出会うはずのなかった二人の人生が交差する――

ディオールのオートクチュール部門のアトリエ責任者であるエステルは、次のコレクションを終えたら退職する。準備に追われていたある朝、地下鉄で若い娘にハンドバッグをひったくられてしまう。犯人は郊外の団地から遠征してきたジャド。警察に突き出してもよかった。しかし、滑らかに動く指にドレスを縫い上げる才能を直感したエステルは、ジャドを見習いとしてアトリエに迎え入れる。時に反発しながらも、時に母娘のように、そして親友のように美の真髄を追い求め濃密な時間を過ごす二人だったが、ある朝エステルが倒れてしまう・・・。最後のショーは一週間後に迫っていた――。

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ディオール専属クチュリエールが衣装監修!幻のドレスや貴重なスケッチ画、現役お針子の手仕事の美しさがスクリーンに登場! ディオール専属クチュリエールが衣装監修!幻のドレスや貴重なスケッチ画、現役お針子の手仕事の美しさがスクリーンに登場!

映画の衣装デザイナーのキャリアを持ち、現在はディオール専属クチュリエ―ルのジュスティーヌ・ヴィヴィアン監修のもと、初代”バー”ジャケットや重ねづけされたプリーツが軽やかに揺れる”フランシス・プーランク”ドレスに、直筆のスケッチ画など、貴重なアーカイヴ作品の数々がスクリーンに登場する。出演は、フランスを代表する大女優ナタリー・バイと、『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』など話題作が続く注目株のリナ・クードリ。出会うはずのなかった二人の女性を結びつけたのは、自分の腕で生きていく覚悟と美を生み出す繊細な技術。ディオールのアトリエを舞台に繰り広げられる、眼福と感動の人生賛歌。

hautecouture
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STAFF&CAST

シルヴィー・オハヨン(監督・脚本)

ユダヤ系チュニジア人として幼少期をパリ郊外ラ・クルヌーヴの大規模団地「cité des 4000」で過ごす。その後文学を学び広告クリエイターとなる。小説家として6冊の本を出版しており、2011年に『Papa Was Not a Rolling Stone』でCloserie des Lilas賞を受賞。2014年には自ら同作を映画化し、2016年のトロントユダヤ映画祭で長編映画賞を受賞。

ナタリー・バイ(エステル)

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ナタリー・バイ(エステル)

1948年7月6日生まれ。父親は画家。失語症のため14才で学校を中退し、モナコのダンススクールに入学。17才でニューヨークへ渡り、ロシアバレエの修行を積む。帰国後、コンセルヴァトワールで演技を学ぶ。フランソワ・トリュフォー、ジャン=リュック・ゴダール、モーリス・ピアラなど偉大な監督たちの作品に出演、セザール賞を始め受賞多数。90年代以降は『アメリカン・ビューティ』(99)や『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』(02)などハリウッド作品に抜擢され、その後も若き天才グザヴィエ・ドランの『わたしはロランス』(12)、『たかが世界の終わり』(16)にオファーされるなど第一線で活躍を続けている。2015年にはフランスの大ヒットドラマシリーズ『エージェント物語』で娘ローラ・スメットと初共演、その後『田園の守り人たち』(17)で映画初共演を果たす。

リナ・クードリ(ジャド)

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リナ・クードリ(ジャド)

1992年10月3日アルジェリア生まれ。ジャーナリストの父とバイオリン教師の母という文化的な家庭で育つ。内戦中に両親と共にフランスに避難。舞台芸術の学位を取得後、ストラスブール国立劇場に入団。テレビシリーズへの出演を得て『Les Bienheureux』(17)で映画デビュー。その演技でヴェネチア国際映画祭オリゾンティ部門の主演女優賞を受賞。2019年のカンヌ国際映画祭出品作の『パピチャ 未来へのランウェイ』(19)の主演を射止める。ウェス・アンダーソン監督の新作『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』でビル・マーレイやティモシー・シャラメと共演。最新作はカンヌ国際映画祭オフィシャルセレクション作品の『ガガーリン』。

ジュスティーヌ・ヴィヴィアン(ディオール衣装アドバイザー)

2001年に歴史的衣装専攻の博士号を優秀な成績で取得。その後、映画衣装担当として『マリー・アントワネットに別れを告げて』(12)、『ルノワール 陽だまりの裸婦』(12)、『イヴ・サンローラン』(14)、『グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札』(14)など数多くの作品を担当。ディオール・ヘリテージ(アーカイブ部門)やオディオールのオートクチュールのアトリエで12年のキャリアを誇る。ディオール1級クチュリエール。

Director Interview Director Interview

シルヴィー・オハヨン(監督・脚本)インタビュー シルヴィー・オハヨン(監督・脚本)インタビュー

Q:このプロジェクトに自伝的な要素はありますか?
シルヴィー・オハヨン
Sylvie
A:非常に個人的で自伝的な側面があり、とても関心のあるテーマが含まれています。私は再婚して14年になりますが、再婚相手には小さな女の子がいて、私はその子を我が子のように大切に育てました。その影響か、実の娘は私を憎んでおり、13歳半で父親の元へと去って行きました。この経験は、私の中の愛国心という別のものと結びついていきました。フランスという国への愛は、私のルーツと生い立ちに根ざしています。「フランス人権宣言」を自宅に飾っていた祖父母から、私は大きな影響を受けてきました。ですから、このプロジェクトは、スピンアウトした娘の母としての役割、仕事をきちんとこなす義母としての役割、そして国への愛から生まれたものとも言えます。
Q:ガラスの天井や社会的再生産の宿命から逃れ、環境から自身を解放しようとする少女を描いていますね。
シルヴィー・オハヨン
Sylvie
A:これは私の経験に基づく、私自身の人生のテーマでもあります。私にとってフランスは、共和国の学校制度のおかげで全てが可能であり、卒業証書さえあれば自分で道を切り拓ける博愛の国です。フランスでは誰かが手を貸してくれます。自身の孤独を癒したいというエステルの身勝手な理由もありますが、そんなことはどうでもよく、彼女の中には献身的な心、優しさがあります。そして少女は教育を受け、人生に対する新しい視座を持ち、パラダイムシフトを起こします。私も同じようにして、ジャドと似た境遇から立ち直ることができました。人生に意味を与える方法として、仕事以上のものはないのかもしれません。
Q:アトリエの撮影はどこで行いましたか?
シルヴィー・オハヨン
Sylvie
A:使われなくなった省庁の中に、昔ながらのアトリエを作りました。現在のアトリエは、お針子たちの眼に負担がかからないよう、明るい光のニュートラルな空間になっています。私は装飾的にもっと詩的なものを取り入れたかったので、フランソワ1世通りにあるムッシュ・ディオールの最初のアトリエのようなドラマチックなものを目指しました。金箔やモールディングを施したヴェルサイユ宮殿のような雰囲気です。制約のある中で奇跡を起こしてくれた美術担当には敬意を表したいです。彼女はお針子と同様に、自らの手で美を生み出してくれました。
Q:俳優たちについて教えてください。
シルヴィー・オハヨン
Sylvie
A:ナタリー・バイは非常に献身的でした。真冬の駅のホームでの撮影はとても寒かったのですが、セリフが正確に流れるよう何度もリハーサルを行いました。バレエを学んだ経歴や勤勉さが、彼女を強さだと思います。彼女は私に魂の一部を与えてくれ、私は圧倒されました。リナ・クードリについては『パピチャ』を見たプロデューサーのオリビエ・カーンが推薦してくれて、一目惚れでした。彼女はいつも正しくて公正な人です。
ナタリー・バイ インタビュー ナタリー・バイ インタビュー

ナタリー・バイ インタビュー ナタリー・バイ インタビュー

Q:今回のプロジェクトで興味を持ったこと、感動したことはなんですか?
ナタリー・バイ
Nathalie
A:「伝承」というテーマに興味を持ちました。私が演じる女性は、優しさや寛大さを示すことができない、気持ちの上でちょっとしたハンディキャップを持った女性で、とても高貴な存在です。そんな中でも、自分の過去を思い出させてくれる少女を助けたいと思うのです。
Q:ハイファッションの世界に興味はあったのですか?
ナタリー・バイ
Nathalie
A:いいえ、全くありませんでした。セザール賞などでオートクチュールのドレスを試着したいと打診したことはありましたが、ドレスメーカーやデザイナーが働くバックステージには行ったことがありませんでした。非常にミステリアスな場所であり、セレブリティが着用するものだから見せられないと言われたドレスもありました。この世界に近づくことができたおかげで、役作りにとても役立ちました。
Q:あなたはこのアトリエのトップとして驚くほど信頼を得ていましたね。
ナタリー・バイ
Nathalie
A:幸いなことに!キャラクターを完全に信じることです。そうすると、役の真実に少しずつ近づいていくのですから不思議なものです。実際には、私はボタンを3つ並べて縫うのがやっとの貧乏仕立て屋なのですから(笑)。
Q:リナ・クードリとの出会い、また撮影中の関係はいかがでしたか?
ナタリー・バイ
Nathalie
A:彼女はとても才能があり、知的で美しい若い女優で、一緒に仕事をするのはとても楽しかったです。彼女は私の話をよく聞いてくれますし、とても良いパートナーです。
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リナ・クードリ インタビュー リナ・クードリ インタビュー

Q:脚本のどこに感動しましたか?
リナ・クードリ
Lyna
A:階級の違う二人の女性が出会い、お互いに偏見を持ち、それを克服することを学んでいく。中流階級の女性が郊外の少女と向き合うという単純なストーリーではなく、繊細な複雑さがあることに感動しました。そして、シルヴィー・オハヨン監督との出会いは、一目惚れでした。私は彼女を姉のように感じ、彼女が伝えたいことを理解し、それが正しいと感じました。彼女の経歴を考えると、さらに正しいと思いました。だからこそ、この映画の誘惑に負けてしまいました。
Q:ジャドには意外にも裁縫の才能がありました。
リナ・クードリ
Lyna
A:驚きの発見です!才能があると言われなければ、全く気がつかなかったでしょうね。彼女は裁縫なんてしたこともなかったでしょうし、オートクチュールについても知るはずもないのに、最終的にディオールに入社したのです。彼女は多くの偏見を持っていましたが、物語が進むにつれて、少しずつ取り除かれて行きます。それはエステルがジャドに対して持っていた偏見が、次第に消えていくのと同じです。私がこの映画で気に入ったのは、偏見にはなんの意味もない、ただの言葉であるということです。
Q:裁縫についてはどのような指導を受けましたか?
リナ・クードリ
Lyna
A:基本的なテクニックを習いました。一番良かったのは、刺繍を覚えたことです。ディオールのアトリエでも時間を過ごしましたが、歓迎してもらえてとても嬉しかったです。社員が決まった時間に働き、食堂で一緒に食事をするという、その規律正しさにとても感動しました。シルヴィーは「素朴な環境の女性たちが、お金持ちのための美を創造している。それは彼女たちのものではないけれど、彼女たちが作り出したものなのです」と言いました。40時間かけてドレスを作っても、自分たちがそれを着るイメージすら湧かないという次元の話なのです。その謙虚さの形にとても心を動かされました。
Q:ナタリー・バイとの共演はいかがでしたか?
リナ・クードリ
Lyna
A:彼女を一緒に仕事をするのは楽しかったです。彼女は素晴らしいジョーカーです。彼女のインスタグラムを見てください(笑)。彼女はいつも優しくて、素晴らしい出会いでした。いろいろなアドバイスもしてくれて、ほとんど母娘のような関係でした。
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ジュスティーヌ・ヴィヴィアン(アドバイザー|ディオール1級クチュリエール) ジュスティーヌ・ヴィヴィアン(アドバイザー|ディオール1級クチュリエール)

Q:この映画に参加した経緯を教えてください。
ジュスティーヌ・ヴィヴィアン
Justin
A:もともと私は映画の衣装デザイナーで、主に歴史作品の衣装を作っていました。ディオール・ヘリテージ(ディオール社のアーカイブ部門)、オートクチュールのアトリエで12年間働いています。ディオールのアトリエのことを熟知していますし、また映画業界でも働いていましたから、この映画に参加することは運命だったのかもしれません。ディオールを通してオハヨン監督から連絡があった時、私たちは同じ情熱を持っていることをすぐに理解しました。
Q:あなたの主な仕事は何でしたか?
ジュスティーヌ・ヴィヴィアン
Justin
A:2週間のアトリエでの撮影の間、縫製アドバイザーを担当しました。撮影の朝、監督と一緒にその日のシークエンスに必要な要素をすべてチェックし、時には緊急事態にも対応しなければなりませんでした。監督がアイディアを出し、それが実現可能かどうかを私に尋ね、時には小道具係と一緒にすぐに作るといったこともありました。
Q:女優たちをどのように指導したのですか?
ジュスティーヌ・ヴィヴィアン
Justin
A:撮影前に女優の方々を指導することになりましたが、影開始まで時間がなく、スケジュールを整えるのも大変で、一人当たり3〜4回程度しか実施できませんでした。特に、ナタリー・バイは30年間アトリエで働いてきたトップのお針子の役です。3時間程度の練習でその技術を習得することはとてもできません。ですので、最初の打ち合わせでは、女優たちにイメージを持たせることを心がけました。手に触れようとしているものが、全世界が夢見る大変貴重な素材であり、ドレスであるということ。情熱と勤勉さ。オートクチュールの世界は非常に選ばれた職業であり、エステルはそこに至るまでに多くの段階を経ているということを認識してもらいました。技術的にはそれぞれの役柄に対してアプローチは違いました。ナタリーの場合は、アトリエを見渡す仕事についての説明をしました。マネキンに着せたドレスを一目見ただけで似合わないと判断して再調整したり、チームにその日の仕事を説明したり、つまり、アトリエの指揮官としての存在感が必要でした。
Q:ナタリー・バイに説得力を持たせるために最も重要なことは何でしたか?
ジュスティーヌ・ヴィヴィアン
Justin
A:ナタリーの家にさまざまなシルクの布を持ち込んで、ピンの打ち方を教えました。それぞれの生地、織り方、落ち具合、他の生地でなくこの生地を使う理由などを説明しました。彼女はもともと感性豊かで感覚的にすぐに理解できたので、あとはそれを強調するだけでした。改めて彼女の女優としての才能に驚かされました。彼女は本物のトップのお針子のように、アトリエの先頭に立ち、的確に指示し、伝えていました。
Q:今回の経験で印象に残っていることは?
ジュスティーヌ・ヴィヴィアン
Justin
A:この2週間の撮影は、私にとって強烈でエキサイティングなものでした。壮大なセットの中で私の縫製への情熱を女優たちに伝えることができましたし、長年培ってきたプロとしての技術を結集することができて本当に幸せでした。